2011年4月1日金曜日

小泉氏についてもう少し

ほとんどのブログサイトでは自動的にヒット数の統計がとられていて、日ごと、週ごと、月ごとにグラフ化されて表示されるから一目瞭然だ。当サイトを見る限りヒット数では圧倒的に小泉氏が小沢氏を上回る結果となっている。これがそのままご本人達の間での人気度とは思えないまでも、少なくとも小泉氏は政界を引退しても注目度は依然としてあるのであろう。

数ある著名人のブログの中でも植草一秀氏のブログは、徹底して小泉・竹中路線を厳しく批判している反面、諸手を上げて小沢氏を熱烈支持している論調が興味をひく。植草氏は小泉氏に関してはもう全面否定に近い論調で、あのテレビで見た優しそうなお顔からは想像も出来ないほどの激しいものだ。いわく小泉改革などは、弱肉強食、社会保障カット、米国隷属以外の何者でもないと繰り返されている。植草氏はまた自身の「冤罪」についても無罪を詳しく主張し、また同時に小沢氏秘書の逮捕についても「国策」だとして、同じ次元で捉えている。

この植草氏のブログには各方面の方々の意見へのリンクが貼られていて、それを見ると「アメリカ陰謀説」の著者の方、「日米同盟を怪しむ」元外交官の方、真正保守の評論家の方と、同一方向へのベクトルを感じる。総じてやはり小泉氏=米国の走狗の見方だ。政界を小泉氏、小沢氏で色分けするのは決して正しいとは思わないが、一応頭の中が整理されて判り安いので、後は読者の方々がどう判断されるかと言う事だ。

以前、新聞記者の方が書いた論評か何かの中で、宮沢氏と小泉氏の対比というのがあったが、なるほどというものだった。それによると宮沢氏は頭脳明晰、教養豊か、英語を完璧にこなす紳士であり申し分ないが、政治家として欠落しているのは小泉氏が持つセクシーさだと。つまり宮沢氏にすればそんな下賎なもので勝負しないと言わんばかりに、大衆人気や人間的魅力で小泉氏に負けるという事であろう。

独身時代の小泉氏を知るある女性の方に直接聞いた話なのであるが、若い頃の小泉氏は真面目で誠実そのものの青年で、話をしていても気さくで楽しかったらしい。たまたま二人で食事をする事となった時には、その場所の設定も凝った所であったり、何かを語る表現は印象的でありながら決してきざではなく、今でも忘れられないとすこぶる評判が良い。確かに宮沢氏、小沢氏、小泉氏の三氏が笑い顔をするとなると一番自然なのが小泉氏だろう。宮沢氏は無理しているなと言う感じだし、小沢氏はいつそれが恫喝に変わるのかとやはり少し怖い。オジサン達にしても一緒にお酒を飲むとなると気楽なのは小泉氏なのだろう。

一方では、小泉氏はあの靖国神社参拝の強面イメージを放ち、平均的な米国人がやはり靖国に対して不気味な印象を持ち、また好意を持っているとも思えないので、果たして植草氏の指摘する様にそれほど米国隷属なのかなとも思えて来る。また、繰り返しになるが、自民党幹事長時代の小沢氏とて湾岸戦争突入時のペルシャ湾に史上初となる自衛隊部隊派兵を豪腕でごり押ししようとした(廃案となり後の PKO派遣につながったが)位の「強い対米協調姿勢」を発揮したくらいだから我々素人の頭はますます混乱する。

人間と言うものは果たして小沢氏の様にその基本理念においてそう簡単に変節できるものなのだろうか。それはやはりまるで給与交渉の時に散々わめき散らし敵対心丸出しの米国人社員が翌日は全く知らん顔してフレンドリースマイルして来るという「したたかさ」から来るものなのか、そこが我々素人には依然判らない。菅政権の打ち出した復興構想会議という大義を通じて大連立への動きが加速され、再度の谷垣総裁への「お誘い」が出される見通しが高いらしい。こうなると国民新党が掲げ、民主党と社民党が強く後押しして来た「郵政民営化の見直し」などというsingle issueは理念無き大集合のもとに忘れ去られるものとなるのであろうか。

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