2011年4月18日月曜日

小沢氏に関してもう少し

Twitterというものはタイムラインを流し読みしていると、必ずふとマウスのホイールボタンを止めてリンクが貼られている先を見てみたくなる様な殺し文句が見つかるものだ。そういうものの中で2009年末に韓国ソウルを訪問した際に市内の大学で行った小沢氏の講演の YouTube動画が紹介されている。そういえば確かにこういう内容の発言を小沢氏が韓国でしたという事を聞いてはいたが、その収録ビデオを見るとそれをどう評価しどう捉えるかは別として、その動画のタイトルにある通りあまり先例のないの「爆弾発言」ではある。
詳細は http://www.youtube.com/watch?v=UswizjEHAbk をご覧下さい。

これを見ると小沢氏の講演内容の概略は下記の通りだ。
1. 近代における日韓の間の不幸な時代は日本国民としてまず韓国に対して謝罪しなければならな  い歴史的な事実である。
2. 朝鮮半島南部の権力者が九州に来て、更に海伝いに三重に上陸し、奈良に入って政権樹立をしたのが日本の神話で語られている神武天皇であるという「神武東征」説が江上(波夫)先生の説である。
3. 仁徳天皇稜の発掘は宮内庁が認めておらず、江上波夫氏が(自民党)幹事長時代の小沢氏に対し宮内庁に働きかけて何とか発掘を認めてもらう様依頼した。これを発掘できれば(江上氏が主張する様な)歴史の謎が解明する筈だ。
4. これを私(小沢氏)があまり言うと日本に帰れなくなるが(笑い声)、江上氏説は歴史的事実であると思う。
5. 794年の平安京を作った桓武天皇の生母は百済の王女であった事を天皇陛下も挨拶で「言った事」(敬語ではない)であり、認めている。
6. しかるに、日本人は自分で勉強し判断する自立心が最も足りない国民である。

この小沢氏が事実だと考える江上波夫氏の「騎馬民族征服王朝説」をどうとらえるかは歴史学上で諸説あるが、小沢氏が敢えて「これが歴史的事実である」とソウルで講演した意図はどういうものなのであろうか。おそらく韓国の人達にあなた方は我々日本人が戦前神と崇めてきた天皇のルーツだったという事を言いたかったのであろうか。講演を聞く韓国人にしてみれば、何やら自尊心がくすぐられる様で悪い気はしないだろうから、小沢氏とすれば日韓親善の為に敢えて爆弾発言を行ったのであろうか。また最後の部分の「日本人は自立性が最も足りない国民である」にいきなり論理が飛躍するのも今ひとつ理解できないが、要はこれもひたすら日韓親善の為に、韓国人に対してへりくだって「日本人はダメな国民ですよ」と言いたかったのであろうか。

ここで我々政治のシロウトの頭を更に混乱させるのはいわゆる真正保守と言われる人々の中にも小沢氏待望論を唱える人々がいる事だ。真正保守の人々にとってはこの小沢氏のソウルでの講演内容は受け入れ難いものであろうと思うが、むしろ「大局を見るホンモノの政治家としてのかような発言は敢えて問題視すべきものでもない」ものなのか。つまり、これも小沢氏が中国訪問時に胡錦濤主席に対して述べた「私は自民解放軍の野戦軍司令官」という発言と同様に相手を「おちょくったもの」と理解すべきものなのであろうか。その辺が正直よく判らない。このYouTube動画を見る限り、小沢氏は自説を述べるのに堂々としており、これが捏造されたものでもなくまた曲解されたものでもないのは明らかだ。また時期的にも例の習近平氏の天皇会見問題の直前であった事からも一連の流れに沿うものであろう。

こうなると小沢氏の「理念よりも権力」だと言う今までの極端な変節の経歴を、仮に「政治は行動と結果」だからそういうものだと言う事で理解するにしても、ここで小沢氏がまた再び政治権力の最高実力者になろうとする場合はいかに変節するのか、あるいはこのソウルでの講演内容に沿う様な考えのままで新たな変節をせずに押し通すのかが、またこれも我々凡人には良く理解できないところであるが。

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