2009年11月9日月曜日

小沢チルドレン

報道によると、新政権での予算を削る為の事業仕分けチームに官邸が党に断りもなく新人議員達をそのメンバーに勝手に入れてしまったと小沢幹事長はご立腹であり、あわてて平野官房長官が「新人は外します」と謝罪したそうだ。これなどは実に小沢氏の思惑と権力欲が如実に現れているではないか。今回の衆議院議員選挙で当選した新人議員は今回当選議員総数の半数近い約 141名にものぼり、この数を纏めて取り込む事は民主党内各派での勢力争いには欠かす事が出来ない有効手段である。小沢氏はこの新人議員達の研修と称して「小沢学校」を開設して、いかに小沢氏の存在が今回各人の当選に寄与したか、また彼らが次回、あるいは将来の衆議院議員選挙でも再度公認され、再選されるにはいかに小沢氏の力が大事であるかを徹底して教え込む事に狙いがあるのは間違いない。選挙には、組織と金が大事であり、それを握り、使い切れる力があるのは党内では小沢氏である。

そもそも「脱官僚主導」を掲げる新政権にとって第一の関門となる予算集計作業での「事業の仕分け」には「官僚の手を一切借りない」と新政権が豪語した以上、それこそ猫の手でも借りたいほどの膨大な作業量となろう。従い、新人議員をこれに加えるとの官邸の判断は妥当なものである。第一、国政選挙に立候補するくらいの人物であれば、既にそれなりの社会人としての経験、見識、知見もあろう筈であり(そうでもなさそうな人物も見られるが)、大学出たての新入社員を企業で研修するのとでは大きな違いがある。新人議員の中には元官僚もいれば、弁護士もおり、地方自治体の議員出身者もいるだろう。そういう人材こそ、事業仕分けチームという作業には実務的にも、体力勝負の面でもうってつけではないか。
会社生活でもそうであるが、人は一緒に困難な仕事を協力し合ってやる事により、新たな信頼関係や友情の様なものが芽生えたりするものである。例えば、どこかの省庁での事業仕分け作業に新人議員が加わって連日の厳しい作業をするとなれば、国会議員としての初仕事でもあり、また国民の「脱官僚」の期待を背負っての責務から、生涯忘れる事の出来ない経験ともなろう。その際、仕事を通じて上司の大臣、副大臣、政務官達との人間性にも触れる事で深い信頼関係が生じるかも知れない。それを小沢氏は先ず一番に恐れていて何としても避けたいのであろう。まずはそういう甘い親分子分感情が芽生える前に「選挙という現実」をしっかり教え込む事でそれに対する小沢氏の天才的能力と有り難味を体に沁みこませるのが先

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