2011年2月21日月曜日

三兄弟物語

「バカ、ワル、ズル、三兄弟」とは今の日本では誰を指すのかがすぐに判る為、これほど的確な表現はなく笑ってしまうものだ。民主党の政権交代なるものがいかに「インチキ」であったか、その主役がこういうレベルの三兄弟であったと気付いた時はもう遅い。前回の衆議院議員選挙で民主党に投票し、政権交代と喜んだ皆さんは一時の感情で悪い男(あるいは女)に見事に騙された女(あるいは男)という事だ。これから終わりを迎える民主党政権を総括すれば「稚拙な外交安全保障」と「財政赤字拡大のばら撒き政策」、この二つに集約されるという事だ。政権の主要政策となる「外務」も「財務」も、結局は「安全保障」と「財政赤字」という枠がはめられている限りは、大筋で自民党と同じ政策という事となる。しかし問題は、三兄弟がこの両面をともに自民党時代よりも更に悪くしてしまったと言う事だ。肝心の「景気対策」「医療・介護・年金の改革」「官僚主導から政治主導」は進まずむしろ逆行している。

二大政党制が確立している米国の大統領選挙は、ネブラスカとメインの二州を除いてそれぞれの州で勝利した政党が選挙人全てを総取りする為に第三の政党から大統領になるのは事実上不可能に近く、日本の小選挙区制以上に第三の政党に厳しい。従って、民主共和の両党とも選挙民の半数以上とも言われている無党派層を取り込んで過半数を抑える為にその政策主張の大筋としては似通ったものとなってくるか、あるいは与野党ともに相手の政策を取り込もうとしたり譲歩したりするものだ。米国の世論調査ではそもそも二大政党制に問題があると考える意見が今や8割以上であるらしい。

そうなると政党としては選挙戦の争点として対立軸を見出すには何を持ち出せば良いのかという事になってくるが、米国では「同性婚」と「妊娠中絶」という賛否両論真っ二つの社会問題があたかもリトマス試験紙のごとく選挙時に引き合いに出されてくる。日本では「永住外国人の地方参政権」や「夫婦別姓」「脳死判定」「靖国参拝」「憲法改正」と言った価値観、宗教観、家族、国家、共同体、アイデンティティーの根幹に関わる問題が争点として考えられるが、これらでもって選挙戦を闘うという事は決してないのだ。あからさまにそういったデリケートな問題に触れると選挙戦では大いなる敗戦リスクとなるからあいまいにしておくと言う事だ。

そこで民主党政権がやろうとした事は、バラマキマニュフェストで政権交代ムードをあおって愚かな選挙民を騙した上で議会でのマジョリティを押さえ、「永住外国人の地方参政権」や「夫婦別姓」等の法案を粛々とかつ次々と成立させてしまおうという作戦であった。いやもっと大胆には、外交安全保障の基本問題の流れまでを一気に変えてしまおうと言うのがバカ(普天間)&ワル(中国迎合)連合であった事を忘れてはならない。来るべき解散総選挙時にはこうした基本のイシュー毎の賛否の意見を明確化させておく事の方が「空約束&ばら撒きマニュフェスト」よりもより重要な事だ。ワルは最初から「理念も何もない金権ワル」と判っていたからそれはそれなりのものだが、バカはバカぶりが露呈する事がなかっただけに、今や堂々と新聞の論説で書かれている通りむしろ「バカの方が万死に値する重罪だ」という事である。後はズルはズルらしく傷が深くなる前に「こうなったちゃったのは僕じゃないよ、原因はバカとワルだよ」と早々と辞めて解散する事だろう

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