2011年2月19日土曜日

米国西海岸ランチ事情

アメリカ人の食生活は西海岸を基点の一つとして間違いなく changeしてきている様だ。ランチを例にとれば、あの不健康で悪名高いハンバーガー&チップ+ソーダという画一的なものから、より健康志向の強い野菜&魚へと、若者を中心に好みが変わってきている事からこの変化がうかがえる。アメリカ人の若年層とて中高年のあの醜悪なメタボの姿にはなりたくないとの思いと、動脈硬化、糖尿、通風等の成人病を避けて長生きをしたいとの願いから、従来の肉食偏重の食生活と食習慣に対する大いなる反省がなされている様だ。

Wahoo’s と言えば、南カリフォルニアでは知らない人がいないほどの以前から人気のFish Tacoのレストランチェーンである。もともと wahooというのはサバ科の魚の名前らしいが、日本語の「和風」という音にも聞こえて日本人には魚料理としてのイメージは良い。このレストランはブラジルの中華料理店の家庭で生まれて育った中国人の三人兄弟が、一家が南カリフォルニアの Orange Countyに移り住んだ後、1988年頃にメキシコ料理のタコスに魚を使った料理を考え付き始めたものらしい。今やカリフォルニア州を中心にコロラドとテキサスまで進出して50店舗まで拡大してきている。店の雰囲気は三兄弟が好きなサーフィンや各種アウトドアスポーツのイメージで飾られていて、カリフォルニア的でcasualであり、またセルフサービスの気軽さが受けている。

一番の人気メニューは Fish Tacoふた切れに白米のご飯と黒豆というコンビネーションで、これにアイスティー等のソフトドリンクつきで6-7ドルとお手頃価格だ。魚をくるんでいるTacoをはがしてしまえば日本の「焼き魚定食」に似たものとなる。今や都市部の若者はコレステロールの塊でオヤジ臭いハンバーガーやポテトチップスなどには見向きもせず、この魚料理店に毎日でも通うほどである。本来のメキシコ料理のタコスにはチキン、ビーフが使われ油臭いが Wafoo’sの場合は魚と白米が中心だけに比較的アッサリした仕上げとなっていてまさにラテンとアジアの融合体である。事実、近所のオフィス地域のモールをランチタイムにのぞいてみると、Wahoo’sは20-30代の世代で長い行列になっているのと対照的に、道路の反対側にあるバーガー専門店は全くの閑古鳥である。

しかし、いくら健康食ブームとは言え、あの生臭い臭いからアメリカ人とて皆が皆魚を好んで食べるという事はないだろう。そこでそういう人々やサプリ好きのアメリカ人には今や Fish Oilは欠かせなくなる。コレステロールを確実に下げるとのうたい文句と頭が良くなるとの(怪しげな)研究結果も出ていたりしていて、COSTCOあたりの大型ディスカウントストアやドラッグストアのサプリの棚には Fish Oilが突出して多量に山積みされている。

こういう食事をしつつ快晴の天気の中で各種のアウトドアスポーツを積極的にするとなれば自然と健康的な生活となる筈だ。東部や中西部で盛んな野球、アメフト、バスケットボールといった従来の団体スポーツも依然人気ではあるが、誰でも気軽に一人でも楽しめる、サーフィン、スノーボード、マウンテンバイクあるいはオフロードバイクといった Speed & Funのスポーツが西海岸ではより若者には身近だ。昼間の時間に余裕のある学生でなくとも勤め人で仕事帰りに人気のジムで汗を流すのが習慣となっていれば、このあたりの若者の間では中西部に多く見られる様な肥満体の数が減ってきているのは間違いない。エコカーの急激な普及が目覚しいカリフォルニアでは、同時に健康志向のライフスタイルも急激な人気ぶりであり、動物性脂肪の少ない健康食が定着すれば従来の様にメタボで騒ぐ必要もなくなり決して悪くはない事だ。

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