2011年2月27日日曜日

バラマキ 4K

「子供手当て、高速道路料金無料化、高校授業料無料化、戸別所得補償」、なるほどこれらは民主党政権のバラマキマニュフェストを象徴する4Kだ。現在国会で熟議されていると言われる政府予算案の中で民主党のマニュフェストの根幹をなすと言われているこの4Kをまず見直す事を自民党はじめとする野党は政府与党に求めている。自民党時代の国家予算を更に上回る額の予算案と公債の発行高になっているのはこういったバラマキマニュフェストによるところが多いのであろう。バラマキマニュフェストに騙されて民主党に投票し、政権交代と喜んで騒いだ結果がこういう事だ。

このバラマキという事は見方を変えれば、国民の側からすれば自らが限られた収入の中でお金のやり繰りや節約等で自己管理と自己抑制をしなくとも、公共サービス的なものは常にタダだと言う考えや収入の一部は努力しなくとも必ず保証されるという考えにつながっていく筈だ。一時英国の手厚い社会保障制度を表す言葉の「ゆりかごから墓場まで」の考えだ。しかし、こういう政策の結果は明らかである事を何よりも知っているのは海外に出て行く機会の多いビジネスマンだろう。あの誇り高い大英帝国の現在の姿が惨憺たるものである事を自らの目で見ているからである。

一体今の英国にどれだけ国際的に誇れる産業が残っているのであろうか。自動車も電気・電子製品も OA機器も英国企業はなにも残っていない。産業界でドイツ人や米国人との比較において、英国人がどれだけ「真面目に勤勉に正直に誠実に働いている」という評価があるのであろうか。この国の人々の心のゆとり、豊かな田園風景、落ち着いた生活ぶり、などなどは最早神話に過ぎない。現実は薄汚れた都会、あふれる若年失業者、高まる犯罪発生率、無秩序に増える外人労働者、どれもこれも英国人が一生懸命働かなくなった結果であろう。

最近、日本では遺産相続に関し兄弟姉妹間で骨肉の争いとなっているという話を良く耳にし、また新聞等でも頻繁に報じられている。特にこの揉め事は相続遺産の大きい富裕層、お金持ちの家で起こるらしい。最近の統計では相続税を納める(つまり現在のところの基礎控除額の5千万円 + 相続人X 1千万円、以上)の割合はわずか 4%らしい。そういう恵まれたお金持ちの家なら普通は子供たちも生活に困る様なこともなく、兄弟姉妹でおおらかな気持ちで遺産を分け合うかあるいは寄付でもするかという事になるのか、と言えば全く逆である。そこは血みどろの貪欲な争いが発生し弁護士の登場となって裁判に至るのである。この現象についてある識者と話した時に、彼は「結局人間はタダでもらうというものに対しては極めて卑しく貪欲になるという事だ」と述べていた。

まさにそれが真であろう。国家が何から何までタダで国民の面倒を見るという「一見豊かな体制」は人間を心豊かにし、おおらかにし、謙虚にするかと言えば全く逆であり、心卑しく惰性にするだけという事が英国の例を見ても明らかだ。

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