昨日、オバマ大統領が漸くアフガニスタンへの3万人の米軍増派を発表した。現地派遣のマクリスタル司令官からの増派要請の人数は 4万人であったから満額回答ではない。これには増派に積極的な野党共和党のみならず、消極的な与党民主党内からも批判が出ている。要は今回の決定内容は中途半端な政治的妥協の産物なのである。結果的にはオバマ大統領がつい最近まで批判してきたブッシュ政権の2007年のイラクでの軍事作戦展開と同じ手法をアフガニスタンで取ろうという判断だ。
そもそも昨年の選挙でオバマ氏が大統領に当選したのは、(1) 経済危機からの共和党政権への失望感 (2) 共和党候補の魅力不足 (3) 共和党政権下での長引くイラク戦争、この三つが主因である事は小学生でも判る事だ。オバマ氏が政治家として優れた功績を残した事でもなく、また国のリーダーとして人間的にも卓越したものがあるという事でもないのである。ただただ2001年のテロ事件には圧倒的にブッシュ政権を支持した米国民の気まぐれな政権選択の結果だとみるべきであろう。
ただオバマ氏の場合、ユニークなのは父親がアフリカ系というルーツであり、また国政面でのキャリアが上院議員一期だけという点が、大統領になった人物としては米国政界では少数派である事だ。欧州の歴史で、ナポレオン、ヒットラー、スターリンという強烈なカリスマリーダーの唯一の共通点は何かと言えば、それは minorityグループからの出身である事だ。コルシカ生まれのナポレオン(フランス)、オーストリア生まれのヒットラー(ドイツ)、グルジア生まれのスターリン(ロシア)である。オバマ氏もその意味では半分は米国人社会では minorityのアフリカ系であるから、当然の事ながら当初はそのカリスマ性を期待するむきもあった。
しかし、政権発足後一年近くも経てばその本質は現れるものであり、オバマ氏はカリスマ性には乏しい事がだんだんと判ってきた。いやカリスマ性に乏しいだけではなく、ただ国民の気まぐれな感情にうまく乗っただけで、表面的な事を取り繕うのがうまいタダの普通の政治家なのかも知れない。
よく入社試験で、「この会社を志望する動機は何ですか」という、ごく当たり前の想定内の質問には最近の学生は自分の考えを纏めて主張するのが極めてうまいらしいが、突然「あなたの生まれた街の宣伝をして下さい」という想定外の質問をされるとたちまちその実力が露呈してしまい言葉につまるというのがあるそうだ。実はオバマ大統領も同じであって、国内の集会や演説は極めてうまくて、ブッシュ氏やクリントン氏を上回るものがある。おそらく選挙戦の中で同氏のスピーチに魅了された国民も多いだろう。しかし、想定外の環境や状況ではじめてリーダーとしての素質が垣間見られる時もある。それが先日の訪日時の天皇陛下の前での変なお辞儀である。この大統領には他国の伝統や文化に接する事には全く見識や免疫性がないという事が判ったのである。
それではその歴史、伝統、文化というものが米国人には未知に近いとまで思われるアフガニスタンという国での軍事展開が困難な状況の中で、派遣米軍の増派をし、その翌年には早くも一部を撤退させるという様な離れ業をこの大統領がやってみせる事が出来るのであろうか。答えは明確にNoである。ベトナム戦争のジョンソン政権の時と同様に中途半端な軍事的対応をする事で悲劇が増幅される結果につながりかねない。
それではどうすればこの対テロ戦争と言われるアフガン戦争で一定の成果を上げる事が出来るのであろうか。それは一重に戦争遂行責任者である米国大統領の深い見識に基づく判断力と、その政策実行面での政治的エネルギーの結集力でしかあり得ない。これはベトナム戦争時にケネディ大統領が見せた政治家としての力量、つまり徴兵制での軍事行動拡大という国民にとっては最悪の政策を敢えて遂行する事が出来た同大統領のカリスマ性によるものである。ケネディ大統領暗殺後のジョンソン政権では、ケネディ氏とは対照的なジョンソン氏の乏しいカリスマ性から、当然の事ながら国民の側ではベトナム戦争の続行さえ許さなかったのである。
わが日本の新政権のリーダーは決して、いかなる面からもminority出身者ではない。全て恵まれすぎているのであって、そこにはminorityから這い上がり苦労した事で人々を感動させ、共感させるカリスマ性なるものは皆無である。そのマニュフェスト原理主義とまでも言われた当初の政策実行への姿勢も、政権発足3ヶ月あまりで全て怪しいものである事が露呈してきた。マニュフェスト至上主義ならそれはそれで出来るものならおやりなさい。それならばそれで筋は通るが、最も忌避すべきは何事も中途半端にしてしまう事である。このつけは軽薄にも政権交代と言う言葉に興奮した国民自らに降りかかってくるのである。
そもそも昨年の選挙でオバマ氏が大統領に当選したのは、(1) 経済危機からの共和党政権への失望感 (2) 共和党候補の魅力不足 (3) 共和党政権下での長引くイラク戦争、この三つが主因である事は小学生でも判る事だ。オバマ氏が政治家として優れた功績を残した事でもなく、また国のリーダーとして人間的にも卓越したものがあるという事でもないのである。ただただ2001年のテロ事件には圧倒的にブッシュ政権を支持した米国民の気まぐれな政権選択の結果だとみるべきであろう。
ただオバマ氏の場合、ユニークなのは父親がアフリカ系というルーツであり、また国政面でのキャリアが上院議員一期だけという点が、大統領になった人物としては米国政界では少数派である事だ。欧州の歴史で、ナポレオン、ヒットラー、スターリンという強烈なカリスマリーダーの唯一の共通点は何かと言えば、それは minorityグループからの出身である事だ。コルシカ生まれのナポレオン(フランス)、オーストリア生まれのヒットラー(ドイツ)、グルジア生まれのスターリン(ロシア)である。オバマ氏もその意味では半分は米国人社会では minorityのアフリカ系であるから、当然の事ながら当初はそのカリスマ性を期待するむきもあった。
しかし、政権発足後一年近くも経てばその本質は現れるものであり、オバマ氏はカリスマ性には乏しい事がだんだんと判ってきた。いやカリスマ性に乏しいだけではなく、ただ国民の気まぐれな感情にうまく乗っただけで、表面的な事を取り繕うのがうまいタダの普通の政治家なのかも知れない。
よく入社試験で、「この会社を志望する動機は何ですか」という、ごく当たり前の想定内の質問には最近の学生は自分の考えを纏めて主張するのが極めてうまいらしいが、突然「あなたの生まれた街の宣伝をして下さい」という想定外の質問をされるとたちまちその実力が露呈してしまい言葉につまるというのがあるそうだ。実はオバマ大統領も同じであって、国内の集会や演説は極めてうまくて、ブッシュ氏やクリントン氏を上回るものがある。おそらく選挙戦の中で同氏のスピーチに魅了された国民も多いだろう。しかし、想定外の環境や状況ではじめてリーダーとしての素質が垣間見られる時もある。それが先日の訪日時の天皇陛下の前での変なお辞儀である。この大統領には他国の伝統や文化に接する事には全く見識や免疫性がないという事が判ったのである。
それではその歴史、伝統、文化というものが米国人には未知に近いとまで思われるアフガニスタンという国での軍事展開が困難な状況の中で、派遣米軍の増派をし、その翌年には早くも一部を撤退させるという様な離れ業をこの大統領がやってみせる事が出来るのであろうか。答えは明確にNoである。ベトナム戦争のジョンソン政権の時と同様に中途半端な軍事的対応をする事で悲劇が増幅される結果につながりかねない。
それではどうすればこの対テロ戦争と言われるアフガン戦争で一定の成果を上げる事が出来るのであろうか。それは一重に戦争遂行責任者である米国大統領の深い見識に基づく判断力と、その政策実行面での政治的エネルギーの結集力でしかあり得ない。これはベトナム戦争時にケネディ大統領が見せた政治家としての力量、つまり徴兵制での軍事行動拡大という国民にとっては最悪の政策を敢えて遂行する事が出来た同大統領のカリスマ性によるものである。ケネディ大統領暗殺後のジョンソン政権では、ケネディ氏とは対照的なジョンソン氏の乏しいカリスマ性から、当然の事ながら国民の側ではベトナム戦争の続行さえ許さなかったのである。
わが日本の新政権のリーダーは決して、いかなる面からもminority出身者ではない。全て恵まれすぎているのであって、そこにはminorityから這い上がり苦労した事で人々を感動させ、共感させるカリスマ性なるものは皆無である。そのマニュフェスト原理主義とまでも言われた当初の政策実行への姿勢も、政権発足3ヶ月あまりで全て怪しいものである事が露呈してきた。マニュフェスト至上主義ならそれはそれで出来るものならおやりなさい。それならばそれで筋は通るが、最も忌避すべきは何事も中途半端にしてしまう事である。このつけは軽薄にも政権交代と言う言葉に興奮した国民自らに降りかかってくるのである。
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