2009年12月4日金曜日

普天間基地移設問題


普天間基地移設問題の年内決着見送りの決定こそは闇将軍の判断であろう。社民党の福島党首の再選はなにも福島氏が「(政権離脱の)覚悟がある」と下手な大見得を切らずとも、無投票選出は既定路線の話である。照屋氏などにはとても党首選での票が集まるとは思えず、またそもそもいかに衰退した社民党とはいえ同氏は党首が務まる様な人物ではない。

そもそも社民党に政権離脱の覚悟など本当にあるのであろうか。社民党というのは自民党政権でこそ、少しは存在感が示せたが、民主党政権になってますますその存在意義が薄れてしまっている。更に何かと発言が注目された辻本氏が国土交通副大臣で入閣している事で、パフォーマンスさえも見られないすっかり静かな党になってしまった。党の幹部会の様子を伝えるテレビニュースを見ても、あれでは老人と女性だけの党ではないか。民主党の様に活きの良い若手の党員など目にしない。

この普天間基地移設問題への対処については、新政権が様々な政治課題がある中で、ここまで執着するのにはどうも当初から納得できるものがない。マニフェストではその殆どがポピュリズムとも言われる国内問題で外交問題はマニフェストの最後の最後に付け足し的に書かれているだけである。しかも普天間の問題に関しては「米軍基地のあり方に見直しの方向で臨む」と消極的に書かれているだけで、県外や国外への移設を約束しているものではない。現に、岡田外務大臣も北澤防衛大臣も日米合意内容での年内決着まで言及しているのである。それに対して鳩山総理は「(日米合意の)辺野古への移設が消えたのではない」と言いつつも早々とこの問題の決着の越年を表明しているが、その表情と語り口からは自らの確固たる信念から語っているのではないのが読み取れる。

そこには複雑な党内事業が絡んでいると思わざるを得ない。その根源が闇将軍の御意向だ。それでは何故闇将軍がかような決定をしたか。それはあの高野山での欧米キリスト教文明までをも批判した事に象徴される闇将軍の屈折した対米意識であると言わざるを得ない。今や闇将軍には国内政治と党内においては向かう所敵ナシの最高権力者状態になりつつある中で、唯一思うがままにならないのが外交、特に米国との関係だ。米国側が鳩山首相の発言のたびに当惑し、過剰反応は示さないものの一応困った様子を見せれば見せるほど、闇将軍の心の中は独裁者特有の心理となるのではないか。

この意味から、普天間基地移設問題の越年は政局からではないだろう。つい最近まである政党が「踏まれても踏まれても下駄の雪」と揶揄された事があるが、社民党が今や完全にその状態なのであって、闇将軍が気配りする様な相手ではない。社民党はむしろ逆に闇将軍の顔を伺う様な立場と成り下がっている。

幸いと言うか、現在の米国オバマ政権は、普天間基地移設問題などはその外交課題の優先順位としては全く下位にしか位置しないのは間違いない。それは米国のメディアではこれに関して何も報道されない事からも伺える。優先順位としてはまずはアフガン戦争、次は医療保険、イラン問題と新政権としての力量が試される重要課題が続く。普天間基地移設問題はオバマ政権にとっては、日本の新政権が多少ごねたとしても、放っておけば国内では全く問題にはならない。あくまでも日本側から言い出した話であり、正式な手続を踏んで両国政府間で取決めた話であるからだ。

それではこの問題の落とし所は「いかなるもので、いつ頃になるか」であるが、それは両国政府が既に取り決めた「キャンプシュワブ沖合いの海上への移設」であり、年明けの適当な時期となろう。ただそれだけの話である。

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